【中学受験|勉強と向き合う力を育てるために】
【中学受験|偏差値以外の物差し】
偏差値とは学力の「今」を確認するための指標です。
しかし中学受験では、それが単なる数値以上の意味を持ち始めます。
偏差値によって学校の難易度が並べられ、やがて子どもや保護者の心まで、その数値に振り回されてしまうことも。
偏差値が下がれば不安になり、上がればつい油断してしまう。
知らず知らずのうちに、「勉強する目的」が偏差値そのものになってしまうこともあります。
(学力別クラスの昇降にも同じような面がありますね)
でも、偏差値だけでは見えてこないものがたくさんあります。
たとえば――
これからグンと伸びていきそうな子。
頑張っているのに結果が出るまで時間がかかる子。
一生懸命だけれど、まだ空回りしている子。
どの子も状況はそれぞれ違います。
そして何より、偏差値では「努力の質」や「勉強への向き合い方」は見えません。
その結果、偏差値だけを見て「もっと頑張れ」と言っても、子どもにはなかなか響きません。
それどころか後ろ向きな気持ちになってしまったり、勉強そのものがイヤなものに見えてしまうかもしれません。
だからこそ授業の中で、先生の声かけで、ご家庭での関わりの中で偏差値とは別の「物差し」を持つことが大切です。
・宿題にきちんと取り組んでいた
・小テストに向けて努力していた
・質問しようと一歩踏み出した
・テストの結果に悔しさを感じた
・自分から机に向かっていた
・忘れ物に気をつけていた
・「塾でこんなこと習ったよ!」と楽しそうに話してくれた
こうした“前向きなサイン”は、すべて評価してあげてよいのです。
どんなに些細に見えることでも、テストの点数よりも先に、まずはその姿勢を認めてあげましょう。
そしてそれができたら、次は別の物差しで見てあげる。
子どもに合った「たくさんの物差し」で、たくさん褒めてあげる。
その声かけはやがて、「自分は応援されているんだ」と子どもの心に届いていきます。
偏差値だけでは測れない、子どもたちの努力と成長。
そこにしっかり目を向けてあげること。
それが勉強とまっすぐ向き合う力を育てる、何よりの後押しになっていきます。
(池田)