英語検定、漢字検定、数学検定は原則、年に3度実施されています。
中学生にとっては昔から馴染みのあるテストですね。
これらの検定が高校入試に利用できるケースをまとめます。
私立高校においては推薦入試の出願基準において加点優遇が得られます。
また、一般入試の併願優遇方式の出願基準にも検定が利用できることがあります。
※公立第一志望の生徒は、抑えの高校の合格を得るために私立の併願優遇方式を利用するケースが多くあります。
たとえば5科20以上の内申が出願条件となる高校では、5科19しか内申をもたない生徒は出願することができません。
しかし、その高校が英検3級による加点1を認めていれば、内申は5科19でも出願条件を満たすことができます。
出願基準は各私立高校の募集要項や、説明会で発表される入試相談基準等で当該年度入試の数値を知ることができます。
高校によって加点事項の有無はさまざまなので、必ず確認をしてください。
また、私立高校における入試相談の期日の都合上、遅くとも11月末までには合格証書が必要になります。
したがって、中3の10月までに実施される検定を受けることが大切です。
大まかな目安ではありますが、
■内申9科30前後:合格偏差値50前後の高校…3級以上
■内申オール4:合格偏差値60前後の高校…準2級以上
中3の10月までに上記の検定級合格を取得する計画を立てていきます。
中3になってからではチャンスは2回が原則です。
中2の10月に1つ下の級を合格できるように勉強しておくとよいでしょう。
※英語検定についてはCBT受験により、年に3回以上受験できるケースもあります。
(岸)
夏期講習前半となる5日間が終わりました。
夏期講習で扱ったのは倍数と約数。
今年まもなく学習する分数の約分や通分、さらに6年生の比。
中1でも素因数分解で倍数と約数を活用していきます。
まさに算数・数学を土台から支える単元ですね。
さて、この倍数と約数ですがそれぞれの導入(1時間目)はものすごく簡単。
倍数は1倍、2倍、3倍…すればよいだけ。
約数は割り切れる数をすべて挙げればよく、見落としがなければ正解できるでしょう。
続いて、公倍数や最小公倍数。
公約数に最大公約数…。
用語が増えてきましたが、まだ簡単そうで余裕を感じる生徒が多いはずです。
では、家に帰ってから宿題をしてみると…
予想外なほどマルがつかない。
授業で扱った問題の数字替え程度ですから、問題レベルは全く同じ。
自分の力で解こうとするとこんなに難しいなんて…!
これが倍数・約数の大変なところです。
倍数も約数も数的操作そのものは単純なので、答えを導く計算は楽に感じます。
しかしその過程は難しい。
授業中なら先生が解説してくれるので、立式からある意味「全自動」です。
ですから、問いの答えは何なのかと気になりすぎて過程を疎かにしてしまう生徒や、その答えを写すだけの勉強をしてしまう生徒は一気に×を量産することになります。
計算問題はよく正解できるが、倍数・約数になると一気に不正解が増えた生徒がいたら、私が考えるのは授業の聞き方の改善です。
倍数・約数でつまずかない子は、先生の発問に積極的にからんできたり、先生と一緒に問題を解き進める体験をしてくれたり、ときには例をたてて思考をすすめたりしてくれます。
答えよりも過程を楽しんでいるとさえいます。
周りの子に同調しながら「こっそり」発言をしていた生徒は、本質的には思考をしないまま、その場をしのいでいたかもしれません。
そういった授業の受け方が全く通じなくなるのが倍数・約数です。
先生の説明中、話を聞くだけでも板書を写すだけでもなく、思考をフル回転させながら話を聞くことが大切です。
そういった生徒はうつむかずに目線が上がっているし、ポイントにさしかかれば聞き逃さずにうなずいてくれます。
授業の聞き方と成績アップの相関はかなり高いと私は考えています。
聞き方だって計算と同じで練習次第でレベルアップしていきます。
算数に限らず、テストの点数をあげたいのなら、授業の聞き方のレベルを高めましょう。
(岸)
神奈川県公立入試の選考では、「主体的に学習に取り組む態度」が合否に大きく影響を及ぼすケースがあります。
公立入試では
- 募集定員の9割に相当する合格者を選考する第一次選考と、
- 募集定員の1割に相当する合格者を選考する第二次選考があります。
これらは選考に採用する数値が異なり、
第一次選考は「内申」+「学力検査」
第二次選考は「学力検査」+「主体的に学習に取り組む態度」となります。
主体的に学習に取り組む態度はいわゆる通知表に記載される観点のひとつで、9科ごとに1つずつ、Aマル、A、B、Cマル、Cの5段階があります。
公立入試ではこれをA、B、Cの3段階にまとめ、A=3ポイント、B=2ポイント、C=1ポイントとして9科の合計値を算出します。
9科満点は27点。
オール5の生徒は27点が確定しますが、評定4の生徒で態度Bの場合や、評定3の生徒でも態度Aという場合がありえます。
公立入試では、態度Aを増やした方が有利になるわけです。
さて、主体的に学習に取り組む態度の影響度の大きさは各校が定める入試比率により異なりますが川崎市周辺で主に採用されている比率➡「学力検査」:「態度」=8:2で考えると、態度1ポイントの差は学力検査の4.63点に相当します。
各校の合格ボーダーライン付近には数点の間に数十人がひしめきあっていると考えるべきです。
当然、態度1ポイントの違いによって合格ラインの当落を左右されたというケースも往々にしてあるわけです。
とはいえ、「態度の評価が良くないから□□高校はあきらめよう」とかそうは思ってほしくないのです。
これらの評価をアップすることを前向きに考えるのが大事ですから。
こんな生徒の声をよく聞きます。
「テストはいいけど、内申が取れない…」
「内申が低くても入れる高校はありますか」
たしかに「態度」は内申には直接かかわりますが、テストへの影響は見えにくいものです。
ですから、態度とテストを分けて考えてしまうケースが大いにあります。
ただ、内申(態度)とテストは対立する関係にはありません。
「授業をきちんと聞く」
「必要なメモを取る」
「適切な振り返りをする」
「考察や感想をもつ」
こういった態度がちゃんと示せる生徒は、テストに向けての学習も適切にできると思って間違いはないはずです。
つまり「態度」はテストのためにもなるのです。
授業の良い受け方が自分の支えになると思ってください。
テストの成績アップや高校入試の点数アップを本気で考えるなら、主体的に学習に取り組む態度への意識は必ず持ってほしいところです。
それで第一志望の高校の合格をグッと引き寄せられたら、楽しみな高校入試になりますね。
(岸)
「定期テストは点が取れるが、模試の点数はよくない」
「模試の点数は良いのに、定期テストだとあまり良くない」
そもそもテストが違えば問われる力は変わりますから、こういった「ねじれ」は自然的に起こりえることです。
■定期テスト >> 模試 の生徒
◎ テスト範囲内の基礎の徹底が図れている
◎ 学校の授業の要点をうまく抑えられている
▲ 範囲外(前学年の復習を含める)に穴がある
▲ 入試を意識した問題に対する解法(知識)がたりない
■模試 >> 定期テスト の生徒
◎広い範囲の基本問題を解くために必要な知識がある
◎応用問題に対する解法パターンの蓄積が進んでいる
▲定期テスト直前の追い込みがたりていない
▲問題集ではカバーしきれない学校の授業の要点が抜けている
自分にとって「得意なテスト」や「苦手なテスト」ができることもあります。
勉強の仕方が間違っているとは限りません。
「得意なテスト」は自分にとっての長所でもあります。
勉強方法を変えるよりも、得意な勉強方法からそれをブラッシュアップしていくという考え方もいいですね。
「だんだん勉強ができてくるようになった」と感じたらそこで負荷を増やしていくことも検討に入れるとよいでしょう。
▼負荷の例
・テスト範囲の基礎の徹底の期日を数日前まで前倒しをする
・基本問題の練習の中にも合格点を設けて取り組んでみる
・試験範囲の単元のなかで入試問題の練習を入れてみる
・同じ問題集を2周、3周して、達成度をひきあげる
前期、後期、前期…と段階を踏んでいきながら負荷を増やしていくことによって中3の受験勉強へとステージが上がっていきます。
できることをどんどん増やしていきましょう!
(岸)
中2の夏期講習の最初の3日間が終わりました。
夏休み明け以降の学校の授業を見すえた年間カリキュラムとなります。
次回9月実施の前期期末テストの範囲や、教科によってはその先の単元まで進んでいきます。
夏期講習後半からはテキストの進行をストップし、各校の期末テスト出題範囲に的を絞った対策をしていきます。
テスト範囲と、少し先を先取り予習するのは学校の授業のためです。
学校の授業の理解だけではなく、学校で指示されたレポート課題にまでスムーズに取り組めることも目標に含まれます。
塾での学びを学校で活用し、反対に学校での学びを塾でも生かせるような好循環が理想です。
さて、この学びのために中2生はいま力をつくしています。
ただこの勉強を完成させることが最終目標というわけでもありません。
この次は復習に目を向けていく必要があります。
次回の期末テストの範囲とその先の勉強だけでは、
すでにテストを終えた単元は頭から抜け落ちていきます。
新出単元を学ぶ際に習慣的に振り返りが行われる数学の方程式などでは、復習が問題に挙がることは比較的には少ないでしょう。
しかし図形やデータ活用、比例・反比例などの単元は、前学年の12月か2月の定期テスト対策を最後にまったく勉強をしていないという生徒は多いはずです。
特に怖いのが理社。
範囲が輪切りになりやすい理社は復習を意図的にしていかないと、まったくの手つかずとなります。
日本地理(中2)を勉強している間、世界の大陸やアフリカ州(中1)の勉強は必要とは感じないはずですから。
中2クラスの何人かの生徒は、学校のテストに対する取り組みに余裕がでてきている生徒もいます。
そういった生徒には、この夏に理社の復習をするように指示を個別に出しています。
「日本の都道府県や領土・領域にかかわる単元の復習」
「歴史の年表の復習」
積極的に勉強することを集めていきましょう。
(岸)