高校受験ブログ(ヘリオスコース)
【テスト対策の2周目】

11月22日(土)、23日(日)に後期中間テストの直前土日対策を行いました。
今回は、近隣と比べて日程が1週間早い井田中生のみが対象です。

教材の1周目はその時点でのできる問題とできない問題の「仕分け」が中心です。
・1周目の間違い直しの結果、2周目の正答を目指して内容を確認。
・特定教科や特定単元に明確な弱点があった場合、次に何をすべきか計画立てる。

1周目の勉強の成果を振り返って自分のやるべきことが明らかにしてからが、
テスト対策の本番です。
「点数アップの本番は2周目から」という話をよくします。
そのため、直前土日対策までに1周目が終わるように学習を進める必要があります。
今回の井田中生の取り組みを見ると、
ふだんの声かけをしっかり守り、おおむね教材を順調に進めている様子でした。

2周目の目標は基本問題を徹底的に完成すること。
・問題を見て、答えを出すまでの流れをすぐに思い浮かべることができるか。
・問題の状況分析がすばやくできるか?(問われているものは?設問の状況や条件は?)
最終目標はマルがつくことではなく、「スピーディーにマルがつく」ことです。
素早さは基本事項への深い理解が不可欠となります。
大きな差が出るポイントのひとつです。

ここまで対策が進めば、基本問題の対策はひとまずクリア。
残すは応用問題や読解・作文問題などへの対策です。

対策中に出た質問はほとんどが応用問題に対してのもので、
基本の理解がうかがえるものばかりでした。
ある生徒は前期期末のとき、
「この単語はどんな意味でしたっけ」
と基本レベルに対する質問にとどまっていました。
ところが今回は、
「how to も the way も 『方法』という意味なのに、なぜこの問題は how to ではいけないのですか?」
という芯をとらえたレベルの高い質問になっていて、それがとても印象的でした。
対策の順調さがうかがえるいい質問だと感じます。

井田中以外の生徒は今週末です。
しっかりとテスト対策を進めましょう。

【勉強を楽しいと思ってもいいんだ】

小学生から中学生くらいのお年頃だと、

自分の気持ちと実際に出てくる言葉がズレてしまうことが多いです。

「(好きなのに)あんなの別にどうだっていいし!」

「(楽しかった映画のあとで)なんか長くね?もう観なくていいや」

 

素直な気持ちの発露は恥ずかしいと思い、どうしても斜に構えた発言をしてしまう。

自分の幼さ(幼いというイメージ)を脱ぎ捨てて、

早く大人になりたいと焦る気持ちもあるかもしれませんね。

そういった斜に構えた言動が多いほど、

じつは内心ではよっぽど気にかけているというケースが多いように感じます。

 

ですから、

「今日の社会のテスト、勉強してないし、もういいや」のような言動があった場合、

私はそれがその子の本心とはとらえないようにしています。

「つまり、この子にはやる気が無いんだな」と、

子どもの内面を決めつけて批判するべきではないと考えます。

「本当は社会のテストのことをだれよりも気にしているのかもしれないな」

ということもあるでしょうから。

 

とはいえ、この言動を黙認するべきでもありません。

はじまりは本心ではなかったとしても、

言動を繰り返しているうちに、

本当に「やる気が無い子」へとマインドセットが進んでしまう危険があるからです。

言葉の持つ恐ろしさだと思います。

 

私は「そういう言葉は言うべきではないよ」と諫めつつ、

小学生や中学生の授業中には

「楽しい?」と時々聞いて回っています。

 

はじめて聞く子にはたいてい首を振られます。

続いて、私からの圧力を感じてイヤイヤうなずく子が現れるのがお約束です(笑)

でも日々くり返していると、素直に「楽しい」と言える子が出てくるんですよね。

正解率が高い基本問題に対して全5問満点をとれたとき。

正答率の低い難問を正解できたとき。

「そんな方法があるのか!」と感動してしまうような鮮やかな数学の解説を聞いたとき。

 

「どう?楽しいでしょ」

 

特に高校受験のプレッシャーが大きいうえに、

思春期で素直さを出しにくい中2、中3あたりの子には、

喜ばれることが多い取り組みだと手ごたえを感じています。

 

不正解を連発したときはイヤだなという気持ちも生まれてくるでしょうが、

それを「そんなこと言っちゃだめだよ」と叱られるよりも、

「楽しい」で上書きされるほうがお互いに気分が良いですよね。

 

そういったポジティブな明るさのもとで勉強をしたい子が大半なのではないかなと思うのです。

 

「勉強を楽しいと思ってもいいんだ」

そう考える子が一人でも多く増えてくれるといいですね。

【基本問題】

今回のテーマは「基本問題」です。

「基本=簡単、応用=難しい」と思っている方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。

辞書によると「基本とは、物事が成り立つ根拠となる重要なもの」とあります。

つまり「基本=重要なもの」

難易度の尺度はそもそも含まれていないんですね。

むしろ多くの場合、基本を身につけるにはかなりの練習が必要であり、基本を難しく感じるのはのは自然なことだと言えます。

 

■基本と応用の関係

応用問題にはA、B、C…と段階がありますが、どんな応用も必ず基本の上に積み重なっています。

基本が定着していなければ、応用をいくら練習しても安定しません。

「基本を磨く」という言葉はあっても「応用を磨く」とは言いませんよね。

基本を深めることで初めて応用A、B、Cに広がり、そこからさらに発展した応用Dや、応用B・Cを組み合わせた新しい応用Eへと進化していくのです。

ここが勉強の楽しさの一つといえます。

 

■レベルと重要度

問題集には「星2つ=中堅校合格レベル」「星3つ=難関校合格レベル」といった表示があります。

中堅校を目指す子にとって、応用DやE(星3つレベル)は必須ではありません。

しかし「基本」なくして星2つにも届きません。

だからどのレベルを目指す子にとっても、基本の徹底は避けられないのです。

難関校を狙う子にとっても同じ。

難問ばかり解けるようになれば合格できるわけではなく、必ず「落とせない基本問題」「星2つレベルの問題」が出題されます。
基本ができていなければ、どんな学校であっても合格から遠のいてしまうのです。

 

■よくある相談と答え

「難関校に合格したいので、応用問題重視で勉強したほうがいいですか?」

そんな相談をよく受けます。

もちろん、挑戦する姿勢自体は素晴らしいことです。

ただし応用DやEに取り組む前に、基本がきちんと定着しているかを必ず確認する必要があります。

応用を進めるのは、基本の徹底があってこそ。

焦らず、確実に土台を固めることが結果的に近道になります。

 

■まとめ

基本の習得に必要なのは「量」です。

計算であれば正確性とスピード。

語句や漢字であれば確実性。

丸がつくことがゴールではなく、「自在に使える状態」にすることが目標です。

どのレベルを目指す子にとっても、基本は徹底的に追求してほしいと思います。

 

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・基本=簡単ではなく「基本=重要」なもの

・応用はすべて基本の上に積み上がる

・レベルを問わず、合格のカギは基本の徹底

・基本は「量と正確性」で身につく

・自在に使えるまで磨き上げて初めて応用につながる

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動画では事例も交えて解説しています。

詳しく知りたい方はこちらからご覧ください!

https://youtu.be/6lDuSwo1Bss

【合格のためにどこまで断ち切れるか】

志望校を固めつつある中3生が増えてきました。

「合格」の二文字を目指して突き進むこれからの時期、

モチベ―ションを維持しつつ、誘惑に負けないように自制することも肝心になります。

 

「絶対に合格したい」という気持ちは、決して特別なものではありません。

受験生であれば強かれ弱かれそのような気持ちを抱くものです。

そして、合否の基準は気持ちの強さではありません。

点数こそが合否をわけるのです。

 

合格点を取るためには勉強をしなければならないでしょう。

英文法か、数学の応用か、国語の読解か…。

それらの能力を伸ばし、当日の点数を伸ばすためには時間と労力が必要です。

ところが時間と労力には上限というものがあります。

無限には頑張れないのですから。

 

新しい何かに取り組む必要が出たとき、それは同時に何かをあきらめなければならない。

遊ぶ時間、スマホを楽しむ時間、勉強ではない好きなことをする時間…。

結局のところ、「合格のためにどこまで断ち切れるか」という勝負でもあると、

私は高校受験をそのようにとらえています。

 

断ち切るべきものを残してしまった余白の部分だけで死に物狂いに頑張っても、

合格点にたどりつけないことだってあります。

ここから入試までの爆発的な伸びは、

合格のためにスパッと断ち切った誘惑の量にも深く関係があるはずです。

 

受験生のみなさん。

君は志望校合格のために、どこまで誘惑を断ち切ることができる?

【授業の吸収率を高めよう】

同じ授業を受けていても、子どもによって吸収率は全く違います。

吸収率のイメージは、授業を受けた後の6時間後に頭に残っていることの量だと考えてみてください。

7割残っても上出来だと思いますが、ゼロということだって珍しくはないと思います。

 

授業の吸収率を高めるためには、「前日までに得た知識量」と「当日の授業の聞き方」が大きく影響します。

とはいっても、前日までの授業というのももう過ぎたことです。

ですから、当日の授業の聞き方を良くすることをまずは目指していきましょう。

それも授業が終わった後に自分の頭に残っていることを増やそうという目的で。

 

その際にはまず前提としなければならないことがあります。

それは、「人間の記憶力は気合いではどうにもならない」ということ 笑

「絶対に忘れないようにします!」と意気込んだってだめですね。

まずは自分の記憶力に対する過信を捨てましょう。

 

授業を受けた後にことがらを頭に残すためには、文字に書き留めます。

つまり自分の頭にメモリーを置くのではなく、紙のほうに記憶(記録)を残すのです。

残すべきはその日の授業の要点。

授業の主題、繰り返し現れたキーワード、先生の気合が入ったときの言葉など。

ただ板書をうつすだけでは、要点はわからないものですよ。

とにかくこれをくり返します。

 

最初は要点が見つかりにくくて当然です。

はじめにも言いましたが、授業の吸収率は前日までに得た知識量にも大きく影響されますから。

ある程度の知識がなければピントがずれてしまって、授業のポイントも見えにくい。

 

しかし、経験を重ねるごとに要点が見えだしてくるはずです。

これがうまいサイクルで回りだしてくると、勉強が良い方に向かって進みだします。

今日までに得た知識量が、明日の授業の吸収率を良くしてくれます。

現在の中2クラスにも、このあたりを練習中の生徒が何人かいます。

とにかく物量重視でメモしているので、要点も「要点にみえるもの」も何もかもメモしている感じですが、

それでいいんです。

 

努力の舞台は授業中と授業外(=家庭学習)がありますが、

まずは授業の吸収率を高めるために授業中を良くしていくのがステップの一段目になります。

家庭学習よりも「頑張ってみよう」と思いやすいです!

吸収率を高めるためには、まずは授業の聞き方を変えましょう。

「授業中だけではたりない!」といつか気付く時が来たら、

次のステップは家庭学習ですね。