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まずは「質より量」でがんばろう。

勉強で成果を出すために、まずは量をこなすべきなのか、それとも質にこだわって進めるべきなのか。

「量か質か」については、こんなエピソードがある。

 

つぼやお皿、茶碗の作り方を教えてくれる陶芸教室での話。

その最初の授業で先生はクラスを2つに分けた。

 

ひとつは作品の「量」で評価をするクラス。

作品の重さの合計が20kgだったらA評価、15 kgだったらB評価のように、たくさん作れば作るほど評価が上がっていく。

 

もうひとつは作品の「質」で評価をするクラス。

こちらはたったひとつ、作ったなかで最高の作品を提出すればいいだけ。

評価はその作品のみで下される。

 

――すべての授業が終わり、さあ評価!という時に不思議なことが起きた。

トップクラスの質をもつ作品は、すべて「量」のクラスから提出されたんだ。

「質」ではなく「量」を求められたクラスからすばらしい作品が多く生まれた。

なぜこんなことが起きたんだろう?

 

「量」のクラスでは、みんな試行錯誤しながら作品を作り続けていた。

もちろん失敗もするけれど、そこから学ぶものも多かったんだ。

こうして「量」のクラスの生徒は質の高い作品を作れるようになっていた。

 

「質」クラスの生徒は最高の作品とは何かを考えるところから始めた。

形は?

色は?

大きさは?

素材は?……

考えつづけることで作品をつくる時間はどんどんけずられていく。

結局、すばらしい作品をつくるだけの技術が身につかなかったんだ。

 

僕が何を言いたいのか、もう分かるよね。

そう。

勉強もまったく同じということ。

成績を上げるためにはまず量をこなさないと。

これは絶対だ。

自分だけ楽して進める近道なんてどこにもない。

 

自分の手を動かして、自分の力で問題を解く。

覚えたいことはノートに書きまくって頭にたたきこむ。

それを何度も何度もくり返す。

そうやって量をこなしているうちに勉強の質も上がっていく。

さっきの陶芸の「量」クラスと同じようにね。

まずは「質より量」でがんばろう。

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