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やらなかった後悔は
日に日に大きくなる。
やると決めたらとことんやろう。

僕らは常に何かを選択しながら生きている。

あまり意識することはないけれどね。

「昼は何を食べようか」といった日常のささいなことはもちろん、「どんな仕事を選ぶべきか」といった人生を大きく左右するものまで、とにかく人生は選択の連続だ。

 

そして選択にはどうしても後悔する可能性がつきまとう。

君にもあるよね。

「あっちにしておけばよかった!」

「あ~、やっぱりやっておけばよかった」

こんなふうに、あとになって悔しく思うことが。

 

人はどんな時にもっとも後悔するのか。

それを研究した心理学者がコーネル大学のトーマス・ギロヴィッチ博士だ。

「人生を振り返って、あなたがもっとも後悔していることは何ですか?」

この質問で、博士は多くの人生最大の後悔を集めた。

結果、とても興味深いことがわかったんだ。

 

◇「自分がしなかったことの後悔」を挙げた人……75%(1位:学校でまじめに勉強しなかった/2位:大事なチャンスをモノにしなかった)

◇「自分がしたことの後悔」を挙げた人……25%(1位:就職先を選び間違った/2位:愛のない結婚をした)

 

人生を振り返った時に「しなかったことを後悔している人」は、「したことを後悔している人」の3倍もいた。

つまり人は「何かをしたこと」よりも、「何かをしなかったこと」により大きな後悔を感じてしまうんだ。

 

たとえば好きな人に告白したけれど、結果は「NO」だったとしたら。

直後は落ち込むし後悔もするだろう。

でも数年経てば、ふられたことなんて笑って話せるようになる。

 

もし告白しなかったとしたら?

いったん芽生えた「告白すればよかった」という後悔はなかなか消えないんじゃないかな。

 

なぜ人は「しなかった後悔」を大きく感じてしまうのか。

その答えは作家の林真理子さんの言葉のなかにある。

「やったことの後悔は日に日に小さくなるけれど、やらなかったことの後悔は日に日に大きくなる」

 

人は、自分がしなかったことの先にある未来を考えることがある。

「もし告白していたら」

「もしまじめに勉強していたら」

「もし大事なチャンスをつかんでいたら」

――時間が経つほど、「もし」の先により輝かしい未来を見てしまう。

そして、実際は何も失っていないのに、何か大切なものを失った気になってしまうんだ。

 

ギロヴィッチ博士の調査結果を見ると、「しなかったことの後悔」の1位は「勉強しなかったこと」、2位は「チャンスを逃したこと」だ。

今、君は一生懸命に勉強できるし、行きたい学校に合格するチャンスも持っている。

ここで、もしも勉強をがんばらずに合格のチャンスを棒に振ってしまったら?

君だってそれを人生最大の後悔と感じてしまう日がくるかもしれない。

 

もちろん、「やる」か「やらない」か、その選択は君のものだ。

ただ、中途半端な「やる」は逆に苦しいだけだよ。

「やる」と決めたら自分のベストを尽くしてきっちりやろう。

今が人生最大の後悔になる可能性なんてけっとばしてしまおう!

君にはそれができるんだからね。

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