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「知っているけれどできない」
そこが君の伸びしろだ。

テストが終わるたびに「次はがんばろう!」と思う。

でも前向きな気持ちはなかなか続かないよね。

そこで今回は勉強における最大の挫折(ざせつ)ポイントついての話だ。

 

心理学の生みの親と呼ばれるアブラハム・マズローは、人が学習によって上達していくプロセスを4つの段階に分けている。

自転車を例とあわせて紹介するね。

① 知らないし、できない段階…自転車という乗り物があることを知らない。

② 知っているけれどできない段階…乗り方は教えてもらったけれど、まだ乗れない。

③ 意識すればできる段階…練習して乗れるようになったけれど、集中しないと転んでしまう。

④ 意識しなくてもできる段階…息をするようにスイスイと乗れる。

 

何も知らない状態からやり方を知って、くり返し練習することで何とかできるようになって、いつの間にか体が自然に動くようになる。

水泳、習字、ピアノ、サッカー、ダンス、、、これまでに君がゼロの状態からできるようになったことを思い浮かべてみてほしい。

どれも「学習の4段階」をたどって上達していったはずだ。

勉強もまったく同じで「何も知らない→やり方を知る→何とかできる→スラスラできる」の順にできるようになっていく。

 

本題はここから。

学習の4段階には、次に進むのが極端に難しいところがある。

それは②→③の「知っている」から「できる」だ。

多くの人が挫折する高い壁がここにある。

 

本でバタフライの泳ぎ方を読んだところで泳げるようにはならないように、本来「知っている」と「できる」はまったく違う。

だけど僕らは「知っている」だけのことを、「自分はできる」と思い込みがちだ。

 

こうなると時間をかけて練習なんてしないよね。

だって自分では「できる」と思っているんだから。

結果、いつまで経っても「知っている」段階から抜け出すことができず、途中で挫折することになってしまう。

 

上達の壁を乗り越えたかったら、「知っている」と「できる」をはっきり分けることから始めよう。

もちろん「できない自分」を認めてがんばるっていうのは大変だよ。

でも、ここを乗り越えれば必ずできるようになる。

 

「知っているだけで、できると思い込んでいること」

もしあれば、そこが君の伸びしろだ。

一つずつ壁を乗り越えていこう。

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